sandtale-fromのブログ

UNDERTALE AUになります。砂漠化の世界、救うのは一輪の金色の花

「 星 」



『思い出して』


『きみが今まで見てきたものを』


『きみが今までしてきたことを』




『これはきみの走馬燈』




『諦めるにはまだ早すぎる』





    『さぁ、決意を抱くんだ』




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    エラーメッセージ


    名前はすでに決められています。




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「フリスク!! 今日は俺様が腕によりをかけて作ったスパゲッティを食べてもらうのだ!!」


ここはスノーフルにある一つの家の中。


今は夜になっていて、サンズとグリルビーズに行くか、それともパピルスの手料理を振舞ってもらうかという話で後者にした後の話。


サンズはフリスクの返答を聞くと「そっかー残念だな」と言って外へ行ってしまった。


「待っててね、ちょっとパスタを作るのに時間がかかるもので…あ、いや、俺様のようなグレートなモンスターがいればこのくらい朝飯前なのだッ! ……もう夜だけど。 あ、フリスクはソファに座っていてくれ、大急ぎで作ってくるからなッ!!」


そう言うとカタカタと骨を鳴らしながら、キッチンへ向かっていく。


ソファに座る。三人が座れるほどの大きさ。とてもふかふかとしている。
…ところどころ白い毛が混じっているようだ。トリエル…の毛ではなさそうだ。
ソファのすきまに何かが光っている。


30Gだ。メモも挟んである。


”おめでとう! これでシチューを買ってサンズにあげるといいことがあるぞ! byサンズ”


ツケくらいこれで払えばいいのに…。
…見なかったことにしてお金も戻しておいた。


上でトタトタと階段を降りる音がする。
黄色の横縞の入った水色のワンピースを着た人間の少女、キャラだ。


「あ…」


フリスクと目が合ったことが分かるとすぐに目を逸らし、キッチンへと走っていった。
それもそうだ。まだ打ち解けていない頃なのだから。
ソファに座って待っていると、キッチンで話声が聞こえた。


「キャラ、人間とはお話できたのか?」


「う……」


「モンスターには気軽に話せるんだから、人間だって話せるよ。だって同じ種族なんでしょ?」


「…だって私以外に人間なんて初めて見たもん…本でしか見たことなかったし、どうやって話したらいいの?」


「んーーーーー。そりゃ?」
「俺様みたいに?」 
「友達がいっぱいいるモンスターなら分かるだろうし…」


「パピルス、教えてくれるの!?」


うつ向いていたキャラの顔がその言葉によって勢いよく持ち上がる。


「え?」


「だって今、”俺様みたいに友達がいっぱいいるモンスターなら分かる”って言ったじゃない! ねぇねぇ教えて!!」


「え、え、ちょっと待って……それは…えっと……」


キャラが目を輝かせている。
もう言い逃れはできないようだ。


「そうだ!! そういう時はスパゲティを振舞えばいいのだ!!」


「スパゲティ? あれってみんな不評じゃない?」


「そんなことはないぞ!!! サンズだってちゃんと全部食べてくれるぞ!!」
「サンズってばキャラの分も食べちゃっていつもキャラは食べてないだけだッ!!」


「そうなの? 食べさせてくれないだけかと…」


フリスクには丸聞こえだが、あえてツッコまないでおこう。




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俺が見たものを書いておこう。
Resetが行われてもその干渉を受けない場所。
それはここにはない。


ここはコインで言うならば表の世界。



誰も死ぬ必要のない世界。



そして裏の世界がある。
それは………今はやめておこう。


話が逸れた。
Resetの干渉を受けない場所。それはコインの中だ。
コインを形成する物質そのもの。
それは確率の中で現れる。
俺たち研究者の間では【Fan値】と呼ばれるもの。
幾度も行われる時間の中、その確率にかけるしかない。



砂を踏む。



砂は風に乗り、移動していく。



今は夜だ。
凍えてしまうような寒さ。氷点下はあるだろう。
マフラーを少し厚めに首に巻く。
人間にこの寒さは下手をすれば死に至る。
肺はないが口から白い息が夜を彩っているように見える。
俺は、ただ砂の上から自分の家を見ている。


人間への審判を下すために。


しかし…なんだ?
あいつは見たことがあるような、そんな雰囲気だ。
まぁ、きっとあいつはResetの力を持つ人間なのだろう。
この物語も、何度目なのだろうか。


家の中からにぎやかな声が聞こえてくる。
パピルス、キャラと分かり合えたのだろう。窓からは楽しそうに笑っている姿が見える。
……なぜか全員スパゲティだらけになっているのは気にしないでおこうか。




次の日の朝、アンダインと対峙した。


パピルスがアンダインを止めたようだった。


「あいつはいい人間だっ!!! アンダインとだって分かり合える…!!」
と、兄弟らしい台詞だと遠目で見ていた。俺の出る幕はなさそうに見える。


パピルスの根気で負けたのか、アンダインはフリスクを家に招き入れたようだ。


……中に入れないがどんな状況になったのかは…なんとなく分かる。


理由は、二人とも頭がアフロのようになっていて、家の中が火の海だったから。




昼、太陽の日差しが容赦なく照りつける。


アルフィスと会ったようだ。


さすがに研究所の中までは干渉できない。
出てくるのを待つしかないだろう。


しばらくして白い水玉の傘を持ったフリスクが出てきた。
通信機を持って耳に当てているようだ。



~♪



プルルル……プルルル……


自分の通信機の音だ。



「もしもし?」


「俺? 俺だよオレオレ。ミックスオレ」


「そう、オイラの名前はイチゴオレさ」


「え? さっきと名前が違うし一人称も違うから直せって?」


「ただのジョークだぜ? そうだ、僕はミルクオレが好きなんだ。乳製品は美味しいんだぞ?」


「え? それはミルクオレじゃなくてホットミルクだって? 勉強になったよ」



…そんな話もほどほどに、通話を切る。
そろそろホットランドに着く頃合いだろう。
”アレ"の準備くらいしないとな。


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「ん? この望遠鏡いいだろ? 覗いて見るか?」


ホットランドへの入り口である竜骨の前でサンズがいた。


旅の途中であるフリスクが声をかける。


今は嫌になるほどの快晴だ。それもまだ昼。
それなのに望遠鏡を立てている。


「あ、大丈夫だって。これは特殊な望遠鏡なんだ。太陽を見て目が焼けることはないぜ」


人間は促されるまま、望遠鏡を覗き込む。


………。


…青い空に星が見える。


これは…夜空なのだろうか。まだ昼なのに月と星が輝いて……いない。
よく見ると月も星も…なぜか粗い……これは…落書きか。
青い紙にクレヨンで描いたようだった。
望遠鏡から顔を放す。


「すげぇだろ? プッ……ククククククク……」


サンズがなぜかお腹を押さえて笑っている。
なぜなら人間の左目周辺が円を描くように紫色になっていたから。


当の本人は気づいていない。表情からでは読めないが、サンズが笑っていることを不快に思っているようだった。


「いいだろ? 星は。むかし、こう言っていたやつがいたんだ」


サンズは笑う事を止め、空を仰いだまま静かに話し始めた。とても落ち着いた声で。


”ほしってなあに? さわれるの? おいしいの? ころせるの? ぼくたちはほしなの?” ってな。もうそいつは今の姿じゃないけど、俺はその答えをずっと探しているんだ。そしてたどり着いた」


空を見ていた目が下を向き始めた。彼の目には憂いを帯びているような、懐かしそうに口端をわずかに釣り上げて笑っているような、そんな雰囲気があった。


「俺たちは星の一部で、何億の星は俺たちと同じなんだって。同じように光っていて…それでいて違う存在。そして、月は俺たち星の原点なんだってな」


フリスクはその演説をただ真っすぐ聞いていた。
そのことを分かっているようで、サンズはフリスクを見下ろした。


身長の差でいえばサンズの方が高い。フリスクが手を伸ばしてようやくサンズの頭を触れるほどの差だ。
それに気づいたのかサンズは「よいしょ」と言ってフリスクの目と同じ高さになるように膝を曲げた。まるで種族の違う人間とモンスターが対等に話しているかのように。


サンズは自分とは種族の違う人間の子どもに問いかける。


「お前さんもいずれ、本当の真実を知る時が来る。その時、お前さんは星と友達になることができるか?」


「そういうサンズは星と友達になれるの?」


フリスクが問いに問いで返してきた。
少し驚いたサンズだが、気にする様子もなく答えを出す。


「さぁな。星の一部がここに落ちてきたら俺は忙しくなるし、一部の星からは嫌われてるからどうかな」


「…サンズの言う”星”っていうのがイマイチ分かっていないのだけど…」


「今は知らなくていいのさ。これを知る時は本当の真実を話す時だからな。そうだ、この先にキャラがいたぞ。俺が送ったけどな。会いに行ってやるといい」



紫の跡が左目の周辺についているのを止めもせずにホットランドまで見送る。
この後キャラと出会って、メタトンのショーを盛り上げて…。


アイツは最後の回廊で俺の審判を受けるのだろう。



その時に………。




サンズの持っている鍵が月明りに照らされて小さく光った。




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「 星 」              end


*「ほし」ってなあに?  *星ってなに?
*さわれるの?      *さわれるの?
*おいしいの?      *たべられるの?
*ころせるの?      *ころせるの?
*…           * ...
*あなたはほしなの?   *きみは星なの?



原作の解釈をするにあたってとても難解なセリフでした。
非公式と公式の翻訳を駆使しましたが、結局このモンスターが何を伝えたいのかが分かりません。とても意味深だなと今でも思っています。星に関連した話をするのは本当に数少なく、願い事の話もこのセリフとは接点が見当たりません。
なのでこのセリフだけで解釈しなくてはいけなかったのです。
誰か教えて欲しいレベルです。


星ってなんでしょうね。
太陽と月を除くすべての発光天体に与えられた名称…らしいですが、あのモンスターが聞きたいのはそういうことではないのだと思います。
もしかすると人間のことを「希望の星」と呼んでいたのかもしれません。
その答えを私には出せませんが…。


SANDTALEでは独自の解釈をさせて頂こうと思っています。
もっとも…これを知るのはまだ先の話。

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