オープニング
遠い昔 地球は人間とモンスターが治めていました
ある日 人間とモンスターの間で争いが起きました
長い戦いの末 モンスターたちは人間から逃れるため 砂漠へ去っていきました
SANDTALE
20〷年 フィリア砂漠
僕は歩いていた。
前が全く見えない。これは茶色に染まった砂が嵐を起こして目に入っているせいだ。
目をこすってもこすっても何度も砂は容赦なく攻撃する。
足元は砂のせいでまともに地につかない。
そのせいで何度も転んだ。痛くはないが転ぶたび自分の体は悲鳴を上げる。
苦しい、喉が渇いた。お腹すいた。
なんで僕はこんなところにいる?
なんで僕ばかりこんな目に遭うの?
そんな言葉ばかりが自分の中に響く。
紺色で紫のストライプシャツに茶色の短パン、靴は家から出るために適当にはいてきたスニーカー。
靴の中に砂が入り、露出された膝部分と頭部をまるで人が痛めつけるかのように砂嵐が襲い、赤くなりヒリヒリと痛む。
苦しいから口で息を吸おうにも砂がそれを許さない。
ポケットに手を突っ込んで入っているお守りを握る。
多少安心した。痛みが治るわけではないが、気力は回復しそうだ。
そう思い込もうとするも体がいう事を聞かない。
「うわっ…」
もつれた足のせいで砂の坂から踏み外して転げ落ち、うつ伏せに倒れこむ。
落ちる衝撃は軽い。砂に守られているから。
でも立ち上がる力がない。砂に拒絶されているから。
あぁ、本当、僕は一体なにをやっているんだろう
誰か、誰か、誰でもいい、僕を見つけて。
涙すらでない虚ろな目を閉じた。